「吉村作治の新発見!エジプト展」

池袋のサンシャインシティ文化会館にある
古代オリエント博物館で、
吉村作治の新発見!エジプト展
〜国立カイロ博物館所蔵品と〜」が、
開かれている。
今回の目玉は、
2007年1月に発見された
夫セベクハト、妻セネトイトエスという名の、
夫婦ミイラの木棺。
そして、同年10月に発見された
父チャイと、子供の
親子ミイラの木棺だ(子供木棺のみレプリカ展示)。
科学技術の進歩により、発掘作業の効率は、
格段に良くなったが、
夫婦や親子のミイラの同時発見は、
非常に珍しい事であるという。
夫婦ミイラの木棺は箱型で、
予想以上に綺麗な色のままだった。
それぞれの棺の側面には、人の泣き顔のような絵が
描かれている。
小さな長方形の窓から、のぞいているような具合で、
眉と目、涙のような筋だけだ。
泣き顔を、赤や緑を中心とした
鮮やかな模様が、囲んでいる。
遥かなエジプトで、何千年も前に作られた木棺。
その実物が、こうして目の前にある。
かなり大きく、存在感がある。
古代エジプトでは、
人は死んでも来世で
再生・復活すると考えられていたという。
それが、ミイラ作りにつながったようだ。
ミイラマスクは、元の肉体がどれだか見分けがつくように、
かぶせられたらしい。
この展覧会では、ミイラ作りの工程を、
イラスト、模型、映像などで、
多角的に紹介している。
その時に使った医療器具も、並んでいる。
魂が帰って来られるよう、
肉体をミイラにして保存する。
砂漠という過酷な環境の中で、
人々が、どれほど生に執着したかを思う。

この展覧会は、2月7日まで。

サンシャインシティ