シンガーソングライター芳晴さんにインタビュー!

第1回試聴コーナーの「遙かなる大地」で、
心に滲みる二胡(にこ)の調べを奏でてくれる芳晴さん。
2月13日に、ライブが予定されています。

 新小岩チピイ
 芳晴 (歌、ギター、二胡)
 平方元 (キーボード、歌)
 (1) 20:00 (2) 21:00 (3) 22:00
 music charge \2000
 東京都江戸川区松島3-15-10 2F
 tel. 03-3653-1253
 総武線新小岩駅から商店街徒歩10分
 ご予約、お問い合わせ
 芳晴ホットライン 050-5538-6532

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菊子 ライブ楽しみですね!
   二胡について教えてください。

 ♪二胡とは?

芳晴 二胡は中国の楽器。
   日本では胡弓(こきゅう)と呼ばれていたけれど、
   胡弓は日本の楽器なので、別のものなんだ。
   二胡には蛇の皮が張ってある。
菊子 どんな蛇ですか?
芳晴 ニシキヘビだよ。
   体長6mもあるんだ。
菊子 そうなんですか!
   二胡には、どんな種類があるんですか?
芳晴 蛇の皮を張るものは3つ。
   二胡と中胡と京胡。
   中胡は二胡より大きくて、京胡は小さい。
   京胡は、京劇で使われるんだよ。
   蛇の皮でなく板を張るのは、
   板胡(ばんこ)。

 ♪二胡で「ハンガリアン舞曲」?!

菊子 弦は2本ですよね?
   チューニング(調弦)はどうするのですか?
芳晴 一般的には、D(レ)とA(ラ)にする。
   けれど僕は、これでは物足りない。
   低い音が欲しいので、
   5度低くして、G(ソ)とD(レ)にしている。
   バイオリンも、一番低い音でGを出すでしょう?
   僕は、バイオリンの曲を二胡で弾いていたことも
   あったんだよ。
菊子 二胡でバイオリンの曲?!
   レパートリーは何ですか?
芳晴 ブラームスの「ハンガリアン舞曲」とか、
   バッハの「主よ人の望みの喜びよ」とか、
   ドボルザークの「ユーモレスク」。
菊子 二胡で「ハンガリアン舞曲」ですか!
   超絶技巧を独学で?
芳晴 そう、独学。
   子供の頃から、なぜか中国に興味を持っていて、
   テレビで二胡を知ったんだ。
   25歳の頃、喫茶店でアルバイトをしていた時、
   仲良しの中国人のバイト仲間に、
   「こんな楽器が、中国にあるでしょう?」と
   絵に描いて尋ねたんだ。
   そうしたら、「あるよ〜」って。
   そして、中国に住むお兄さんに頼んで、
   二胡を取り寄せて、僕にプレゼントしてくれたんだ。

 ♪実は歌を習っていた

菊子 芳晴さんは、元々ギターを弾いていたんですよね?
芳晴 その中国人の友達に、ギターを弾いて歌ってあげていたよ。
   僕が一番好きなのは、人間の声。
   歌が好きなんだ。
   楽器でも、歌う楽器が好き。
   二胡は、人間の声に近いんだ、こわいくらいにね。
   ところで、二胡は独学だけれど、
   歌を習ったことはあるんだよ。
菊子 どんな先生だったんですか?
芳晴 ブルースを歌っている先生だった。
   言葉づかいは丁寧だけれど、
   空手の達人!
菊子 歌の先生が空手ですか!
芳晴 体育会系でね、僕と対極のタイプ(笑)。
   最初の課題曲は「男が女を愛するとき」。
   ナット・キング・コールのような先生だったな。

 ♪さらにまた、幸運な出会い

菊子 いろんな出会いがありますね!
芳晴 ある年の大晦日、録音したギターを流しながら、
   二胡を弾いていたんだ。
   とっても寒い日でね・・・。
   すると、通りがかりの人に、
   「一緒に飲もうよ」って誘われたんだ。
   もう寒くてたまらなかったから、ちょうど良かった。
菊子 そしてどうなったんですか?
芳晴 その人は、作曲家の都留教博さんだった。
   2、3年後には、都留さんの音楽のために、二胡を弾いた。
   初仕事だよ。
菊子 すごい展開ですね!
芳晴 二胡で西洋ものを弾いていたことに、
   都留さんは興味を持ったんだって。
   その時弾いていたのは、「オーバー・ザ・レインボー(虹のかなたに)」。

 ♪ケースの中には!

菊子 それが劇団の仕事を始める
   きっかけだったんですね。
   その後の活動の中で、
   面白いエピソードはありますか?
芳晴 二胡って、とっても軽いんだ。
   専用の木のケースに入れていた頃だけれど、
   学校で劇団の公演があって、搬入をしていた時、
   「二胡って軽いんですね〜」と言われたんだ。
   それで、「軽いんですよ〜」と答えて・・・。
菊子 それで・・・?
芳晴 ケースを開けたら中身が無かった!
   ダッシュで取りに帰ったよ。
菊子 危なかったですね!
芳晴 実は、本当に忘れちゃったことも(笑)。
   別の仕事の、初顔合わせのリハーサルの時、
   「初めまして」と挨拶して、演奏しようとしたら、
   ケースの中には、二胡が無かった。
   取りに帰れなかったから、全部歌ったよ。
菊子 そうなんですか。
芳晴 「素敵な歌でした」と言われた・・・。
   トラウマになってしまって、
   二胡を車に積んで走っていると、
   中身はあるのかと、
   無性に気になる時がある(笑)。

 ♪芳晴さんの自由な世界

菊子 いろんなことがあったんですね。
   この頃はどうしているんですか?
芳晴 独学ということもあって、
   二胡を自由に弾いてきた。
   二胡で和音を出しているのも、
   独自のテクニックなんだよ。
   構造的には、単音しか出せないんだけれどね。
   近頃は、アイルランドの笛、
   ティン・ホイッスルも使っている。
   ティンというのは、ブリキという意味なんだ。
   リコーダーのような笛で、細くて
   穴の数が6つしかない。
   「タイタニック」のテーマでも使われているよ。
菊子 自由に世界を広げているんですね!
芳晴 今までは、二胡の演奏をすることが多かったけれど、
   本来の、シンガーソングライターとしての活動を増やしていくよ。
菊子 ありがとうございました。

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当ブログ、「プロの技!」 第2回 シンガーソングライター芳晴講師(1)で、
芳晴さんが優しく歌う"Good Night (おやすみ)"の動画と、
芳晴さんのインタビュー動画をお楽しみください!

第12回試聴コーナーでは、芳晴さんがノリノリで歌う
"Night Cruise (ナイト・クルーズ)"の動画をご覧下さい!