マッコイ・タイナー・トリオ

70歳を超えてなお、精力的な活動を繰り広げる
ジャズ・ピアニスト、マッコイ・タイナー
時代はさかのぼり、1955年、ジョン・コルトレーンは、
マイルス・デイヴィスのバンドに参加、数々の名演奏を残すが、
1960年にマイルスのバンドから脱退、自身のバンドを結成する。
そこに抜擢されたピアニストが、
当時22歳のマッコイ・タイナーだった。
ジョン・コルトレーンの大ヒット、"My Favorite Things"では、
若き日のマッコイの演奏を聴くことができる。
今から40年以上も前に他界した、
伝説のサックス・プレイヤー、ジョン・コルトレーンと、
同じステージに立っていたというマッコイは、
時代の生き証人のようにも感じられる。
ブルーノート東京のオープンは、20年以上前だが、
マッコイは様々な企画で、オープン当時から出演を重ねてきた。
今回のブルーノート東京でのライヴでは、
かつてマッコイが参加した名盤、
ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン」に
収録された曲の数々が、マッコイ本人の演奏によって蘇った。
今は亡きジョン・コルトレーンと、
ジョニー・ハートマンに代わってゲスト出演したのは、
エリック・アレキサンダー(サックス)と、
ホセ・ジェイムズ(ヴォーカル)だ。
"They Say It's Wonderful"、"You Are Too Beautiful"、
なめらかで艶のあるホセ・ジェイムズの歌声を、
マッコイの温かいピアノが包む。
エリック・アレキサンダーのサックスは、
スマートで知的な印象だった。
マッコイ・タイナーの演奏で、迫力満点だったのは、
やはりマッコイ本人の作品、"Fly With The Wind"。
長い年月をかけて熟成された、演奏の妙味とも言うべきものに、
圧倒された一夜だった。

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A master of Jazz piano, McCoy Tyner appeared at Blue Note Tokyo.
He played with John Coltrane and Johnny Hartman 48 years ago.
He performed the numbers from their famous Ballads album.
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