熊川哲也 Kバレエカンパニー「ロミオとジュリエット」

熊川哲也さんの新作バレエ、「ロミオとジュリエット」。
英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパルとして国際的に活躍していた
熊川さんが帰国し、Kバレエカンパニーを創立して10年。
その10周年記念全国ツアーを行っている。
私が観たのは、熊川さんのロミオ、ロベルタ・マルケスさんのジュリエット。
マルケスさんはブラジル出身で、現在、英国ロイヤル・バレエ団の
プリンシパルとして活躍中。
どの瞬間も美しい、素晴らしいテクニックだ。
そして、表情の豊かさといったら。
ロミオに出会う以前の、天真爛漫なジュリエット。
フィアンセを拒絶し、ロミオと結ばれるため、婚礼の朝、
仮死状態になる毒を飲む時の、生と死の狭間で苦しむジュリエット。
目覚めて、ロミオが死んでいることに気づき、深い悲しみの中、
ロミオを追って、自ら命を絶つジュリエット。
踊りの緩急や、指先の動かし方、目の伏せ方などによって、
わずかな間に大きな変貌を遂げたジュリエットを、みごとに演じていた。
バルコニーのシーンは、二人の息がぴったり合って、
幻想的で忘れられない美しさだった。


この公演は、熊川さんの出身地、北海道での
11月11日の公演まで、全国で行われる。

K-BALLET COMPANY