友人の神谷明美さんが、フォーレ全歌曲連続演奏会(II)に出演した。
6人の声楽家が、フランスの作曲家、フォーレの歌曲を、次々と聴かせてくれた。
神谷さんはソロやソプラノ二重唱で、7曲披露した。
夜の帳(とばり)を思わせる、光沢のある濃紺のロングドレス。
軽やかなピアノに乗って、シルヴェストルの詩による「愛の歌」が、
そっと優しく歌い出される。
「僕は君の目が好き、君の額が好き
ああ、つれない人、残酷な人」
囁くような弱音の、絹に触れるような柔らかさ。
そしてフランス語の響きが、これほど美しいとは。
「僕は君の目が好き、君の口が好き
そこに力尽きるまでくちづけをしよう」
神谷さんは、東京藝術大学卒業、同大学院修了後、パリ市立音楽院で
さらに研鑽を積んだ。
留学時代の話も、楽しそうにしてくれる。
パリは第二の故郷なのだろう。
「ああ、つれない人、愛しい天使
僕の地獄でもあり天国でもある人!」
神谷さんは憂いを帯びた声、明るく輝かしい声などを自在に使い、
フォーレの音楽の色彩の移ろいを、じっくり聴かせてくれた。
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2010年3月5日に、当ブログで神谷さんのインタビュー記事を
掲載しています。
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フォーレは、19世紀半ばに生まれ、20世紀初めまで活躍したフランスの作曲家。
あの「ボレロ」を作曲したラヴェルの師匠だ。
フォーレの抒情的なメロディーと、移ろいゆくハーモニーの微妙な色合いの美しさには、
思わずため息・・・
「夢のあとに」、「シチリアーノ」、「ドリーの子守歌」、
ぜひ聴いてみてね。