上妻宏光(津軽三味線)・塩谷哲(ピアノ) "AGA-SHIO"

津軽三味線上妻宏光さんと、ピアノの塩谷哲さんによる
"AGA-SHIO" Concert Tour 2010が、
1月から全国で行われた。
上妻さんは、1973年、茨城県生まれ。
6才で、津軽三味線と運命的に出会ったという。
1988年、14才の時、大会最年少で
全日本津軽三味線競技大会で優勝。
しかし、なんと茨城県出身だという理由で
中傷を受けたそうだ。
それをはね返すように、1995年、96年に、
津軽三味線全国大会で、史上初の二連覇。
現在は、純邦楽の演奏に磨きをかける一方で、
国内外のジャズ、ロックのアーティストと、
ジャンルを超え競演。
また、日本全国の小学校を舞台に、
「生一丁!出張授業」を行っているところも、ユニークだ。
さて、全国ツアーの最終日。
1曲目、「じょんから」。
日本人としての血が騒ぎそうな、
叩きつけるような三味線のリズムに、
すーっと、ピアノの透明な響きが
入り込んでくる。
異質なものが出会って、不思議な調和が
生まれたという印象だ。
3曲目の「佐渡おけさ」と、それに続く「Yesterday」。
「Yesterday」は、もちろんビートルズの名曲だが、
これを、イエスタデイおけさとして演奏していたのが、
とても面白い。
佐渡おけさ」のリズムの、
「タンカ・タ、タンカ・タ、タンカ・タンカ・タンカ・タ」と、
「Yesterday」のリズムの「タンカ・ター」との
似ているところが、うまく利用されている。
三味線で「Yesterday」を演奏する、と言っても、
想像をはるかに超えるものだった。
最後の曲、上妻さん作曲の「ラプソディー」。
これはまさに、上妻さんの三味線と、
塩谷さんのピアノとのぶつかり合いだ。
ふたりの超絶技巧の連続で、
ハラハラドキドキするのはもちろん、
三味線の音色やリズム、
ピアノによるハーモニーが
絶妙に活かされていて、
ここにしかない世界が繰り広げられた。
"AGA-SHIO"のファースト・アルバム「AGA-SHIO」で、
聴くことが出来る。

AGA-SHIO Official Website | 上妻宏光×塩谷哲