三菱一号館美術館

東京・丸の内の三菱一号館美術館が、
先月オープンした。
東京駅からも、有楽町駅からも徒歩5分、
東京国際フォーラムの斜め向かいにあるこの美術館は、
明治時代に建てられた旧三菱一号館を復元したもの。
当時、丸の内最初のオフィスビルだったが、
ビル高層化の波の中で、1968年に解体された。
今回復元された意義は、とても大きいと思う。
設計したのは、イギリスの建築家、ジョサイア・コンドル
コンドルの設計した建物には、あの鹿鳴館もある。
コンドルは、40歳頃、花柳流舞踊家、前波くめと結婚、
現在は妻と共に、護国寺に眠っているという。
イギリス風赤れんが作りのクラシカルな外観は、
18世紀イギリスのクイーンアン様式だという。
使われている赤れんがは、230万個!
当時の製法をできるだけ再現して、作られたものだそうだ。
展示室の中には、素敵な暖炉。
展覧会に来ていながら、なんだか客として招かれているような、
アットホームな雰囲気がある。
美術館脇の空間は、一号館広場。
中庭のようになっていて、
新緑の木々の下に、噴水や野外彫刻が点在する。
野外彫刻は、ベンチに座る人や、母子。
観ていて心が和む。
庭には、明治の頃のガス灯もあるらしい。
夜にはまた、違う表情を見せるのだろう。