マーラー作曲 交響曲第2番「復活」

今年、創立45周年の東京都交響楽団が、
6月に、第700回定期演奏会を行った。
この記念公演を指揮したのは、
都響プリンシパル・コンダクターのエリアフ・インバル
1936年、イスラエルに生まれたインバルは、
ユダヤ人であったマーラー
優れた理解者と言われている。
(マーラーは後に、カトリックに改宗)
この「復活」は、5楽章からなり、
「なぜ生き、なぜ苦しむ」という問いの答えが、
最終楽章でソプラノ、アルト、合唱により
明らかにされる。
生まれるものは滅び、滅びるものはよみがえる、
生きること、苦しむことに意味はあったのだという、
復活の思想だ。
インバル率いる都響の演奏には、
気迫がみなぎり、
密度の高い時間が生み出された。
ノエミ・ナーデルマンとイリス・フェルミリオンの歌声も、
力強く崇高で、勇気づけられる。
舞台裏から金管などの音が響き、
舞台上のオーケストラと拮抗して、
音楽は大きな高まりを見せた。
若きマーラーの、
人生の扉を押し開こうとする気概が、
インバル・都響の演奏から、強く感じられた。