茂木健一郎×松岡みやび 対談「脳と響き」

脳科学者の茂木健一郎さんと
ハーピストの松岡みやびさんの対談が行われた。
みやびさんは、いろいろな国を見てきた経験から、
日本のハープ界はまだ遅れていると感じ、
自分が開拓をしていきたいと思っていると言う。
ハープ教室を立ち上げ、さらに地方を回って、
人々がハープに触れる機会を作り、
また、独学でもハープを学べるよう、
教本を出版する。
現代の混沌とした時代に、
ハープの素朴な音色は必要だと考え、
多くの人がまだ気づいていない
ハープの魅力を伝えたいそうだ。
ハープの消えていく音は美しく、
侘寂(わびさび)に通じると言う。
楽譜の行間に書かれていない
間(ま)を大切にしているそうだ。
「ハープって眠い、と思われているじゃないですか。
 ポロンポロンっていうイメージじゃないですか」
と問いかけ、
音の多彩さ、ダイナミックの幅があることを知ってほしい、
と、ひたむきな眼差しで語った。
会場には、通常のハープ、ミニハープなどが用意され、
みやびさんは、愛の讃歌ツィゴイネルワイゼン
津軽海峡冬景色など、
何曲も演奏を聴かせてくれた。
最近は、テレビのバラエティー番組に出演するなど、
新たな活動を展開するみやびさんだが、
茂木さんは、「テレビでハープの癒し効果などと言うより、
まず、ハープを演奏すれば?」という考えだ。
「だんだんと人は、ネットで検索して観るようになっている。
 先端的な人は、地上波テレビから離れている。
 ネットの時代では、強烈でアクの強い人が出てくる。
 俺は、本気の時代が来たと思う。」
人々を取り巻くメディアは変化していく。
アーティストなど、自分の世界を持つ人が、
それをどのようにして、世の中に発信していくのか、
考えさせられた。