日野原重明さん著 「生きるのが楽しくなる15の習慣」  その1

本の帯には「100歳のお誕生日、おめでとうございます」。
聖路加国際病院名誉院長の日野原重明さんは、
100歳の現在も、精力的に仕事に邁進し、
自らミュージカル化した「葉っぱのフレディ〜いのちの旅〜」
(レオ・バスカーリア原作)の上演も続けている。
私が日野原さんを知るきっかけとなったのは、
今から17年前、平成7年に起きた地下鉄サリン事件だ。
死者13名、負傷者約6300名という大惨事となった事件当日の朝、
東京・築地の聖路加国際病院では、早朝会議が開かれていた。
事件の知らせが入り、院長だった日野原さんは、
直ちに「全ての患者さんを受け入れる」と発表、
多数の尊い命が救われた。
日野原さんは、第二次世界大戦東京大空襲の時、
若き医師として治療に当たったが、
収容し切れなかった大勢の患者が野外で亡くなり、
「大災害に耐えられる病院を絶対作る」と誓ったそうだ。
終戦から、長い長い年月が経過。
聖路加国際病院の院長となった日野原さんは、
大規模な病院を自ら設計。
緊急時には入院可能な病室となる礼拝堂や、
24時間対応の救命センターのあるビルが完成したのは、
地下鉄サリン事件のわずか3年前だった。
事件の日、聖路加病院には640名もの患者が来院し、
111名が入院。
1200名もの病院スタッフが正体不明の症状に対して、
必死の対応を続けたという。
(つづく)