本書は、日本の流通構造、企業活動、消費態様などを研究する野口さんが、
クリス・アンダーソンの『フリー<無料>からお金を生み出す新戦略』をベースに
日本の状況を紹介、考察した上、
“「フリー」をビジネスにどう生かすか”という提案を試みる本である。
「フリーミアム」というビジネスモデルなどが挙げられ、
それを有効に運用するには、また落とし穴は？と具体的に述べられており、
とてもわかりやすい。
「フリー」には多大なコストがかかり、
これをきっかけに課金に誘導する仕掛けが大事なのだが、
規模が小さいレベルでは、なかなかうまくいかないとのことだ。
「フリー」を有効利用するため、ターゲットを絞り込む、
マスメディアの力を使う、・・・などの提案は、とても興味深い。
社会の変化は早いので、このような提案が、個人のレベルでも活用される日が、
遠からず訪れるように感じる。
