吉田たかよしさん著 「最強!会話術」

NHKアナウンサーであり、医師であり、
自民党元幹事長の秘書の経験もある
吉田たかよしさんの「最強!会話術」。
放送界や芸能界、政界におけるご自身の失敗談を例に挙げ、
神経やホルモンのしくみなど医学的な根拠と共に、
人を動かす会話術を、楽しく提案してくれる。
相手と発展的な関係を結ぶのに大切なことは、
上手にしゃべることではなく、
相手の心を動かすこと。
そのためには、相手の話をまずよく聞いてニーズを探り、
自分は何をしてあげられるか考える。
共にメリットを得られるしくみを作り、熱意を持って語りかける。
自らエネルギーを発し、強い信念を持って行動を起こす。
やはり、自分の思いつきをしゃべるだけでは、
発展的な関係を作ることはできないのだ、と私も反省。
自分自身を知り、相手にしてあげられることを身につけ、
相手をひきつける情熱を持ち続けることが大切なのだ。
この本には、知っていてトクをするワザも、いろいろ紹介されている。
著者は、新人アナウンサー時代、
「ニュース原稿を読んでいて一定の時間がたったら、
 原稿を読むふりをして下を向きなさい」と指導されたという。
著者が紹介する「三秒ルール」によると、
話をする際、時々、3秒ほど視線を下に外すのがよいそうだ。
また、相手を見る時は、相手の両目と鼻のあたりの
三角地帯を見るのだという。
相手の話すテンポに自分も合わせる、
語尾をあいまいにせず、はっきりと言い切る、
などのテクニックも、すぐに実行できそうだ。
受験生を志望校に合格させるため、勉強や練習をさせる時や、
他の人の協力を得て、作品を創っていく時、
その成果がどれほどのものになるかは、
結局、相手とのコミュニケーションに、大きく左右される。
相手を本気にするためには、どうしたらよいか、
そして自分自身のあり方についても、考えさせられる本だ。