ユンディ・リ ピアノ・リサイタル

ユンディ・リがオール・ショパン・プログラムによる
全国ツアー公演を行っている。
今年は、ショパン生誕200周年記念。
ユンディは、2000年度ショパンコンクールの覇者であるが、
当時18歳だった彼も、今年28歳になる。
先頃、ノクターン(夜想曲)全集のアルバムを
リリースしたこともあり、
まずノクターンを5曲演奏した。
ここには、有名な「ノクターン第2番 変ホ長調」が含まれる。
それから、「アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ」、
「4つのマズルカ 作品33」。
この二つは、プログラムが変更されて演奏された曲だ。
(「軍隊ポロネーズ」、「スケルツォ第2番」、
「3つのマズルカ 作品59」は演奏されなかった。)
そして「ピアノ・ソナタ第2番 『葬送』」、
締めくくりに「英雄ポロネーズ」。
ノクターン、アンダンテ・スピアナートなどでは、
音が美しく、情感がこもっていたが、
ピアノ・ソナタポロネーズでは、
やや線が細い印象があった。
これから人生経験を様々に積み、
怒りや絶望といった負の感情も、
演奏に投影するようになると、
より陰影に富むショパン像を
描くことができるようになるのだろう。
開演前、友人のFさんに偶然会い、
休憩時間に待ち合わせをして、一緒にケーキを食べた。
とても楽しそうにしているFさんと、
会話が弾んだ。
音楽を楽しむ人を増やしたことにおいて、
ユンディには、大きな功績があると思う。
今後、より大きく成長して、
奥深い音楽の世界へいざなってくれることを期待している。