なおこな音楽会 Vol.5

東京都東久留米市在住の音楽家たちによるコンサートが、
地元の成美教育文化会館で行われた。

・歌…古市尚子さん(東京芸大声楽科卒業、二期会会員、
ぐるーぷ・なーべ会員、高声会会員)
クラリネット…白川毅夫さん(桐朋音大卒業、
北西ドイツ音楽アカデミー・デトモルト卒業、
日本クラリネット協会理事)
・ピアノ…川辺千香子さん(東京芸大ピアノ科卒業、
同大学院修了、日本演奏連盟会員)
・ナビゲーター…森 みほさん(謎の美女とのこと。
小学校PTAの縁で出演)

会場にはお子さんも多く、近所の方々のあいさつも見られ、
和やかな雰囲気。
モーツァルトのオペラのアリア、クラリネット奏者の
白川さんの自作曲、日本歌曲、会場の皆と歌う「四季の歌」
などなど、ご紹介しきれないほどバラエティーに富んだ、
意欲的なプログラムだ。
ナビゲーターの森さん、歌の古市さんのトークが楽しく、
また、クラリネットの白川さんも、楽器の手入れ方法や、
楽器のしくみについてわかりやすく説明してくれるので、
これから演奏される曲の世界に、自然に引き込まれる。
モーツァルトのオペラ「皇帝ティトの慈悲」の
「私は行くが、貴方は平和で」(セストのアリア)の演奏前。
大きなトランプのカードを、登場人物に見立てて
ホワイトボードに貼りながら、
森さんがユーモアたっぷりに、オペラのストーリーを解説。
さらに歌詞を朗読した後に、古市さんの歌が始まる。
お客が音楽を楽しめるような、様々な工夫がされていた。
白川さん作曲の「アムゼルの森」は、
クラリネットとピアノにより演奏された。
白川さんのクラリネットの、柔らかく温かみのある音色と、
川辺さんのピアノの、豊かな響きの織りなす世界。
普段あまり音楽を聴いていない人々も、
日本人の書いた現代曲に、このような美しい曲があるのかと
驚いただろう。
また、古市さんは、石川啄木作詞の「初恋」、
北原白秋作詞の「砂山」などの日本歌曲を、
言葉のひとつひとつを大切に、愛情を込めて歌い上げた。
会場の子どもたちも、日本の歌の美しさに
気づかされただろう。
このような、地域に根ざした活動を続けている
演奏家の方々の功績は、とても大きいと思う。
なおこな音楽会Vol.6 (次回)は、
2010年7月17日、成美教育文化会館にて。
共演はAncora Bambino Quartet。