横山幸雄さんショパン・ピアノソロ全166曲コンサート第2部後

13:00〜16:30 《全63曲》 
2つのワルツop.69 
3つのワルツop.70 
4つのマズルカop.24 
12の練習曲op.25 
〜15分休憩 14:00〜14:15〜
即興曲第1番op.29 
幻想即興曲op.66 
2つのノクターンop.27 
24の前奏曲op.28 
〜15分休憩 15:15〜15:30〜
アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズop.22 
4つのマズルカop.67 
4つのマズルカop.68 
4つのマズルカop.30 
スケルツォ第2番op.31 

 ♪ ♪ ♪ ♪

第2部が終わり、夕方になった。
開演してから、やっと7時間半ほどたったが、
時間的にはまだ半分に満たない。
終演予定の午前1時頃まで、
あと8時間半もある!
横山さんの美しい高音は、
真珠の粒が連なるといったところを通り越し、
真珠で織り上げられたようだ。
本日、横山さんは、何と1000ページもの楽譜を覚えて弾いているが、
そのピアノは、休憩の度に調律が行われ、
念入りに整えられている。
そして!
そのピアノは、横山さんが普段自宅で弾いているものを運び込んだそうだ。
「ドイツ・ハンブルグ製1993年のスタンウェイ」とのこと。
第2部では、小ブロックの最終曲、
つまり小休憩に入る前の曲でも、
ブラヴォーの声が起こるようになった。
別れのワルツ、雨だれのプレリュード、幻想即興曲
アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ
心に静かに響くような調べ、
またあるときは豪快なリズム、
ショパンの様々な表情が描き出される。
第2部最後のスケルツォ第2番も
緩急自在、ダイナミックな演奏で、
客席が沸いた。
第2部では、初恋の人コンスタンツィアの結婚の知らせ、
幼なじみのマリーとの恋愛、婚約、破局
そして男装の女流作家、
ジョルジュ・サンドとの運命的な出会い、と
ショパンの心が
激しく揺れ動いた時期の曲が演奏された。
この時期、肺の病は
ますますショパンを苦しめた。
マリーとの破局の原因のひとつは、
ショパンのこの不治の病であった。
さて、ショパンの父はフランス人であったが、
その父の祖国で、ショパンは大きく花開く。
フランス革命後、フランスはヨーロッパで
最も自由な空気をまとっていた。
ショパンはパリで貴婦人たちの人気を得、
またリストや画家のドラクロワと親しくし、
互いに影響を与え合う。
また、メンデルスゾーンや、
シューマン夫妻とも親交を結んだ。
ヨーロッパのロマン主義の香りが
ショパンの作品から立ち上っている。
ここで私も、ちょっと休憩。
長い夜に備えて、軽く食べておこうかな。
次回のレポートは、夜9時ぐらいです。