クリスチャン・ツィメルマンのピアノ・リサイタル

1975年、ショパン国際コンクールに史上最年少の18歳で優勝した
クリスチャン・ツィメルマンが、
ショパンの生誕200年を記念して、
年明けから世界ツアーを行っている。
ロンドン(2月)、パリ(3月)、ウィーン(4月)とヨーロッパを回り、
5、6月には日本各地で15公演を行う。
ツィメルマンは1956年、ショパンの母国ポーランドで生まれたが、
窓も開けられないほどの環境汚染に悩まされ、また、
物資が乏しくピアノの入手も困難、
ピアノを自ら作り、調律、修理も手がけたという。
現在は、自己所有のピアノを世界中どこにでも運搬、
信頼するピアノ調律師と共に、
ホールに合わせて調律を行うとのことだ。
今回は、オール・ショパン・プログラム。
大作ピアノ・ソナタの第2番と第3番が
両方含まれている、意欲的なものだ。
彼ももう50代。
いぶし銀のような深い味わいのある
格調の高い演奏で、
長い年月をかけてショパンの魂を求め、
探求してきたことが伺える。
今後ぜひ、ポーランドの代表的な民俗舞曲、
ポロネーズマズルカを彼の演奏で聴く機会も
得たいものだと思う。