ベートーヴェンの全交響曲と全ピアノ協奏曲 (お知らせ)

毎年、年末に、ベートーヴェンの第九を楽しみにしている方は多いでしょう。
「苦悩から歓喜へ」。
特に、大震災を経験した今年は、
厳しい試練、苦難を乗り超え続けたベートーヴェンの音楽に、
心底、励まされるのではないかと思います。
この年末、特別スケールの大きいベートーヴェンのイベントが二つ!
まず「ウィーン・フィルティーレマン ベートーヴェン交響曲シネコンサート」。

そして、「TOKYO FM 横山幸雄ベートーヴェン ジルベスターコンサート」。

「全交響曲」の方は、朝10時半上映開始で、終了は夜7時過ぎ。
私は1日で、通して鑑賞するつもりですが、
第1&第3のように、2曲ずつセットになったチケット(第九のみ1曲だけ)で、
上映期間中(12月10日〜28日、月曜休み)、数回に分けて鑑賞することもできます。
演奏が収録された会場は、日本でもテレビで毎年放映される
ウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートでおなじみの、
ジークフェラインザール(ウィーン楽友協会大ホール)。
2008年から2010年にかけて、映画を製作したオーストリア放送協会とユニテルは、
ウィーン・フィルの音色と、会場のムジークフェラインザールの臨場感の
忠実な再現」を意図したとのことです。
東京都写真美術館ホールの、大画面ハイビジョン映像とサラウンド音響で、
どのように観、聴くことができるか、今からとても楽しみです。
(「ベートーヴェン9チケット」を入手すれば、
このウィーン・フィルベートーヴェンが、なんと1曲1000円で聴けます。)
指揮者のクリスティアンティーレマンは、1959年、ドイツ生まれで、
カラヤンなどの系譜を継ぐ、ドイツ正統派として知られています。
さらに特筆すべきは、第九では、日本人のメゾ・ソプラノ、
藤村美穂子さんがアルト・パートを歌います。
ますます期待が高まります!
さて、「全協奏曲」です。
横山幸雄さんは、
東日本大震災で苦難に直面した2011年。今年を締めくくるコンサートには、
 どうしてもベートーヴェンを取り上げたかった」
と語ります。
「絶望の淵から新たな境地に辿り着いたその過程を一晩でみせる」という
横山さんのジルベスターコンサートは、
東京オペラシティコンサートホールで、大晦日の夕方5時半開演。
カウントダウンを経て、新年が明けると、
「皇帝」が、輝かしく演奏され、
0時45分に終演の予定です。
こちらも7時間強!
ただし、横山さんの場合、映画ではありません。
生身のひとりのピアニストが、生演奏するのです。
しかも、「全協奏曲」だけではないのです。
5曲の全協奏曲に加えて、ベートーヴェンの5大ソナタ
「悲愴」、「月光」、「熱情」、「テンペスト」、「ワルトシュタイン」をも、
「全協奏曲」の合間(?)に、演奏するのです!
3大ソナタをひと晩で弾くピアニストでさえ、
めったにお目にかかれないというのに、
横山さんのこのプログラムは、まさに超人的です。
指揮者の山田和樹さんは、小澤征爾さんが優勝したことで知られる
ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。
スイス・ロマンド管弦楽団の主席客演指揮者に、2012年に就任します。
まだ30歳を超えたばかり、
横山さんと共に、エネルギッシュなベートーヴェンを聴かせてくれそうです。
山田さんが芸大在学中、仲間の芸大生を集めて結成したオーケストラが、
今回出演する、横浜シンフォニエッタオーケストラへと成長したとのこと。
私の元生徒さんにも、10代でオーケストラを作り、音楽監督になった例があるので、
とても関心がありますし、応援していきたいと思います。