「ドビュッシー、音楽と美術」展

ブリヂストン美術館開館60周年記念
オルセー美術館オランジュリー美術館共同企画
ドビュッシー、音楽と美術 印象派と象徴派のあいだで」という展覧会が、
京橋のブリヂストン美術館で行われている。
実は、この展覧会が始まって間もない7月に、
関連イベントのレクチャー&コンサートに行ったのだが、
残念なことに期待通りではなかった。
(あまり準備ができていないショパンが演奏され、
なぜ? と疑問が残った)

そのようなこともあり、かんじんの展覧会に行くのが
すっかり遅くなってしまったのだが、
展覧会の方は興味深かった。


モネやルノワールドガ、ゴーガン、ルドンなどの絵画、
エミール・ガレのガラス工芸。
葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」、
歌川広重の「東海道五十三次」。

ドビュッシーと、「火の鳥」成功後のストラヴィンスキーが、
ドビュッシー邸で一緒に撮った写真もあるが、
部屋の壁に、例の北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」が、
飾られている。


ドビュッシーの”展覧会に行って、これほど面白いものを
観られるとは。
レオン・バクストによる舞台装飾、デザイン画もある。
ドビュッシーの自筆譜や自筆の手紙もある。

特に印象深いのは、
ドビュッシーの友人であり、支援者であったルロールの令嬢、
イヴォンヌ・ルロール嬢への贈り物だ。
かなり大きく立派な日本の扇子(せんす)に、
ペレアスとメリザンド」の楽譜が手書きされている。
楽譜も美しく書かれ、扇子の花や鳥と見事に調和している。


ひとりの人物としてのドビュッシーが、友と語らい、ピアノに向かい、
どのように生きていたのか、
時代の空気はどのようなものだったのか、に
触れられる経験となった。