プラシド・ドミンゴ 「わが心のセビリャ」

3大テノールのひとり、プラシド・ドミンゴ主演の映画、
「わが心のセビリャ」。
セビリャはスペイン、アンダルシア地方にある土地だ。
セビリャにゆかりのあるオペラの登場人物を演じながら、
ドミンゴがセビリャの魅力を披露する。
映画の冒頭。
監督のジャン=ピエール・ポネルと
指揮者のジェームズ・レヴァインが、
オペラの舞台で有名な土地について話している。
「トスカ」のローマ、
ラ・ボエーム」、「マノン」のパリ・・・。
そこへドミンゴが入り、セビリャだと告げる。
ロッシーニの「セビリャの理髪師」はもちろんのこと、
ビゼーの「カルメン」、ヴェルディの「運命の力」、
モーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」、
そしてベートーヴェンの「フィデリオ」。
これほど多くの有名なオペラで、
セビリャが舞台になっているとは・・・。
それらのオペラを書いた作曲家たちは、
イタリア人、フランス人、オーストリア人、ドイツ人。
作曲家たちは、セビリャを訪れることなく、
これらの傑作を生み出したのである。
実は大変立派で美しい、歴史的建造物であるタバコ工場
(ジプシー女カルメンが働いていたという設定)。
本当に過酷極まる環境であった、陽の射さない地下牢
(フィデリオ、実はレオノーレの夫が幽閉されていたという設定)。
作曲家本人でさえ訪れることのなかった様々な場所を、
この映画を通して、実際に目の当たりにしたことで、
主人公の心情などを、よりリアルに
想像することができるようになった。
自らがスペイン人であるプラシド・ドミンゴの案内にも、
強い説得力がある。
映画作りの舞台裏が紹介されていて、こちらも面白い。
セビリャの理髪師」のシーンでは、ドミンゴが、
理髪師フィガロと伯爵アルマヴィーヴァを
一人二役で演じるが、
フィガロがアルマヴィーヴァのひげを剃るシーン
(もちろん、歌いながら)が、どう撮影、録音されたか。
また、この映画のために、ドミンゴは、
伯爵、理髪師、脱走兵、色男、下僕、囚人・・・など、
様々な役を演じ分けたが、そのためにどのような
メイクが施されたか。
裏方さんのインタビューもあり、なるほどと思わせられる。
1981年スペイン・ドイツ共同制作、エミー賞受賞。
30年前の映画だが、とてもすばらしい企画だと思う。
若々しいドミンゴも、魅力的だ。

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I watched the film "Hommage a Sevilla".
Placido Domingo performed many characters in operas of Sevilla.
I was interested in special technique in the film.