内藤誼人さん著 「ウソつきは成功のはじまり」

心理学者、内藤誼人さんの本は、
ニヤニヤしながら読むことができる。
先日、徳間書店から出たこの本にも、
「嫌いなヤツにほど、馴れ馴れしくタッチせよ」などという、
一見、絶対ありえない!と思うような、
意表を突く戦略が満載だ。
内藤さんは述べる。
「嫌いなものをひとつずつ潰していくことが、
 隙のない社会人になるためには
 絶対に必要なのではないだろうか」。
「『アハハハ』と笑いながら、相手の肩や腕を
 ばんばん叩いたりするのがよい」。
「不思議なもので、相手の身体に触れるようにすると、
 相手もあなたに友好的な対応をしてくれるようになる。
 これを『タッチング効果』という」。
アハハハと笑いながらも顔がひきつり…なんてことのないよう、
入念な練習が必要か?
「課長になったらお茶汲みをしろ」という項で、
内藤さんは、コロンビア大学のハーベイ・ホーンスタイン博士の
「”見返りのない親切”こそ、相手に好かれるコツである」
という指摘を紹介し、
「ちょぴり偉い人が、それをやってあげると
 なおさら効果的であろう」、
「ちょっとばかり偉くなったからといって、
 偉そうにしていてはいけない」と述べている。
「下っ端の人間が、相手のためにあれやこれやの
 親切をしてあげたところで(中略)、
 打算的に親切を施しているにちがいないと
 思われてしまうのだ。
 ところが、ある程度の地位のある人が、
 下っ端がやるようなことをしてあげると、
 『この人は、ホンモノだ!』と感激してもらえるのである」。
忙しい毎日、自分のことで精一杯で、
他の人の気持ちなど、考える余裕もなくなりがちな私たち。
けれどもこんな風に、周囲の人をちょっといい気分にさせると、
人生の風向きも、ラッキーな方へ変わるかもしれない。
「どんな人にも、『私たち、なんだか似てますね』と言え」の項
(類似性の原理)では…、
「もし相手が納得してくれず、
 『いや、全然、ちがうんじゃないですか?』と返事をされても、
 『いえいえ、私たちは、ものすごく似ていると思いますよ』と
 押し切るのである」。
内藤先生、恐れ入りました。